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不動産会社の囲い込みとは?両手取引の違いと悪質な手口を暴露!

 2019/04/09 売却
 

家を売ることになったら、なるべく早く高く売りたいですよね!
でも、重要な取引を任せた不動産会社が「囲い込み」をしていたとしたら…?

  • 囲い込みって何?
  • 業者に騙されたくない
  • 一体どんな手口なの?
  • 囲い込みを防ぐ対策は?

大きなお金が動く不動産売買では、物件の囲い込みをする悪徳業者がいます。
囲い込みをされた売主は、売却のチャンスを逃すだけでなく、高く売れるはずの家が安く叩き売られてしまう・・・などの不利益を被ってしまいます。
そこでこの記事では、不動産会社による囲い込みの手口と騙されないための対策をお伝えします。
記事を参考に良い不動産会社を選び、売却を成功させてください!

囲い込みとは


「囲い込み」とは、自社で物件を独占する行為です。

  • 物件情報を他社に公開しない
  • 他社で買主が見つかっても嘘をついて売らない

なぜこのようなことをするのかというと、売主と買主の両方から仲介手数料を受け取って大きな利益を得るためです。
1つの物件で売主も買主も独占すれば、不動産会社の利益は2倍になりますよね。
しかも不動産会社的には在庫を抱えているわけでもないので、売却にいくら時間がかかったとしても損することはありません。
しかし、囲い込みをされた売主側は、売却の機会損失、不当な値下げによる不利益を被ることになってしまいます。

両手取引と囲い込みの違い

囲い込みと混同されやすい言葉に「両手取引」があります。
両手取引とは、売主と買主が自社の顧客同士になるという広い意味で使われている言葉です。
ちなみに、売主・買主どちらか一方が他社の顧客になることを「片手取引」と呼びます。
たまたま売主と買主の希望条件が一致し、”結果的に”自社の顧客同士で契約が成立した場合はふつうの両手取引になります。
自社内で手続きをした方がスムーズに早く売却できるので、両手取引が一概に悪いとは言えません。

仲介手数料の金額はいくら?

囲い込みの原因になっている仲介手数料は、どのくらいの金額なのでしょうか?
不動産会社に支払う仲介手数料は、以下の計算式で求めます。

【売却価格×3%+6万円】

【例】売却価格3000万円の場合
3000万円×3%+6万円=96万円
片手取引で96万円、両手取引なら192万円が不動産会社に入ることになります。
不動産会社の多くは、ここで多くの利益を得るためにまずは両手取引を狙って動いているというのが現状です。

大手は両手取引率が高い傾向にある

以下は、主要な不動産会社の両手取引率を表したものです。大手不動産会社両手取引比率(住宅新報社2018年3月期 仲介実績を基に当サイト独自に作成)

両手取引率が6割を越えている不動産会社もあり、意外と高い割合であることに驚かれると思います。
大手の特徴として、自社で抱える顧客数が多くさまざまなニーズに対応できるため両手取引になりやすい点があげられます。
スムーズな売買のために結果的に両手取引になるのであれば大手に依頼するメリットは大きいですが、担当者が利益やノルマのためだけに動いているとすれば問題です

囲い込みの手口


売主に不利益をもたらす、囲い込みの手口を見ていきましょう。

高い査定額をつけて媒介契約を結ばせる

まず、囲い込みをするためには「他の不動産会社との契約を禁止する」という、専属専任媒介契約もしくは専任媒介契約を締結する必要があります。
売主が他の不動産会社と同時に契約してしまえば、自社で物件を独占することができなくなってしまうからです。
そのため、到底売れないと分かっているわざと高い査定額をつけて専属専任媒介契約や専任媒介契約を結ばせる手口を使います。
【関連記事】
不動産売却の専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の違いとは?

レインズへの登録をしない

「レインズ」とは、不動産会社専用の物件情報共有システムのことです。
本来であれば、売主から依頼を受けた不動産会社は、レインズに物件情報を登録し、他社と協力しながら買主を探さなければなりません。
しかし、囲い込みをする不動産会社はレインズへの登録を故意に行わず、自社だけで物件情報を独占します。
その結果、他社で希望に合った買主がいるのに売却にはつながらず、売主にとって重大な機会損失になってしまいます。

レインズのデータを意図的に変更する

専属専任媒介契約または専任媒介契約の場合、レインズへの登録は法律によって義務付けられています。
そこで、一旦登録はするけれどその後に意図的に内容を変更するといった手口で囲い込みをする不動産会社もあります。
レインズには3つのステータス機能があります。

・公開中…内覧可能
・書面による購入申込あり…交渉中
・一時紹介停止中…内覧ストップ
囲い込みをする不動産会社は、購入希望者が見つかっていないにもかかわらず「書面による購入申込あり」「一時紹介停止中」などと、意図的にステータス変更をして他社からの問い合わせをシャットアウトします。
また、間取り図や詳細写真を載せない、わざと売れにくくするために大まかなデータしか載せないといったケースもあります。 

他社からの問い合わせに嘘をつく

他社で内覧希望者が見つかったときに「すでに交渉中です」と嘘をつく手口もあります。
実はレインズは、ステータスの変更をしてから反映されるまでに1~2日かかります。
問い合わせをしてきた不動産会社に「公開中になっていますよね?」と突っ込まれても「ステータス変更はしてありますがまだ反映されてないみたいです」と、レインズのタイムラグを利用した嘘までつくのです。 

大幅な値下げをする

自社で物件を抱え込んでしまうことで、買主候補の数は圧倒的に減り売却しにくくなります
当然ですが、囲い込みをされた物件はなかなか売れず、自社の顧客に売るために大幅な値下げを提案してきます。
仲介手数料は売却価格の3%ほどなので、たとえ500万円の値引きをしたとしても両手取引ができるのであれば、不動産会社としては売主・買主あわせて30万円のマイナスになるだけです。
しかし一方の売主は、値下げした500万円丸々損することになってしまいます。

囲い込みをされないための対策


売主が囲い込みの被害に遭わないようにするには、どのような対策をすれば良いのでしょうか。

囲い込みの知識があることを伝える

最も騙されやすいのは「知識のない売主」です。
囲い込みは、専門知識をもたない一般の売主に対する不誠実な行為です。
そのため、囲い込みの知識があることを伝えるだけでも不動産会社への牽制になります。
「囲い込みや両手取引の知識を持つ売主に厳しい目でチェックされている」と分かっていれば、簡単に騙すことはできなくなります。

レインズはこまめにチェックする

不動産業界に蔓延する囲い込みにブレーキをかけるため、現在は専任媒介契約を結んだ売主にはID・パスワードが発行され、レインズを閲覧できるようになりました。

  • きちんと物件情報は登録されているか?
  • ステータスは勝手に変更されていないか?

このようなことを、売主自身がこまめにチェックすることが囲い込みの防止に有効です。

一般媒介契約を選ぶ

囲い込みは自社で物件を独占することなので、他の不動産会社と同時契約のできる一般媒介契約なら囲い込みは不可能になります。
ただし、よほどの人気物件でなければ不動産会社の販売意欲が下がるというデメリットもあります。
多くの費用をかけて売却活動をしても、先に他社で決まってしまえば買主だけでなく売主もとられてしまい、仲介手数料が0円になるからです。

相場を把握する

先述したように、悪徳業者は媒介契約を結ぶためにわざと高い査定額を提示してきます。
ご自身で相場を把握していれば、明らかに高すぎる査定額を怪しいと見抜くことができ、囲い込みされるリスクを回避することができます。
相場を把握するには複数の不動産会社の査定を受け、比較することが大切です。
1社だけの査定では本当の相場は分からず、騙されるリスクも高くなるので注意が必要です。
不動産会社を一番簡単に比較する方法は、無料の一括査定サイトを利用することです。
こちらでおすすめの一括査定サイトをご紹介しているので、是非チェックしてみてください。
【関連記事】
プロが勧める不動産売却一括査定サイト5選!メリットとデメリットも解説

他社に問い合わせをしてもらう

媒介契約を結んでから一度も問い合わせなどがない場合は、囲い込みをされている可能性があります。
そこで、他に信頼できる不動産会社を探し「内覧希望者がいます」と問い合わせをしてもらうよう相談するのも手です。
他社からの問い合わせに「すでに交渉中です」と虚偽の返答をすれば、嘘をついていることが分かります。
そして、時間をおいて「インターネットを見たんですけど・・・」と一般の購入希望者として問い合わせます。
「すぐにでも内覧可能ですよ!」と返答されれば囲い込みされていることは確定です。

囲い込みをされてしまったら即契約を解除する

もし囲い込みが発覚したら、媒介契約はすぐに解除するべきです。
契約期間3ヵ月との定めはありますが、業者側に非があることがわかれば途中で契約を打ち切ることもできます。
信頼を裏切るような不動産会社と契約をしてもあなたにはデメリットしかありませんので、他の不動産会社と媒介契約を結び直すことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?
囲い込みは、仲介手数料を売主と買主の両方から受け取るために、故意に物件情報を隠して自社で独占する悪質な行為です。
インターネットの普及によって知識を持つ売主が増えたことや、国が対策に乗り出したことで、不動産会社の意識も変わりつつあります。
とはいえ、大きな金額を取り扱う不動産ゆえに、いまだに抜け道を探す悪徳業者も後を絶たちません。
囲い込みの被害に遭わないためには、売主がきちんと知識を持って、本当に信頼できる不動産会社を選ぶことが大切になります。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです!

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ライター紹介 ライター一覧

嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:二級建築士、宅地建物取引士

初めての不動産購入や売却はわからないことだらけだと思います。
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