1. TOP
  2. 不動産
  3. 相続・贈与・活用
  4. 不動産売却で贈与税!?「みなし贈与」を避ける3つの方法

不動産売却で贈与税!?「みなし贈与」を避ける3つの方法

子どもに家やマンションを譲りたい!

そんなとき他人に売るよりも安くしてあげたい」と考える人も多いのではないでしょうか?

でも、ちょっと待ってください。

実は、不動産の売却によって、譲られた人に高額な贈与税がかかることがあります。

  • 売却なのに贈与税がかかるの!?
  • 子どもには負担をかけたくない・・・
  • 高額な税金を支払うのは大変

日本の税金のシステムはとても複雑で「こんなところにも税金がかかるの!?」と驚くことも多く、とくに家族間で不動産売買をするときには注意が必要です。

税務署に贈与とみなされて高額な税金が課税されることになれば、子どもの負担にならないようにというあなたの好意が、逆に子どもを苦しめる結果になることも・・・

そこでこの記事では、不動産売買で与税がかかるケースと、贈与税をかけずに不動産を譲渡する方法について、わかりやすく説明します。

記事を読んで参考にして頂ければと思います。

 

贈与税とは?


贈与税とは、個人の資産を「あげる」「もらう」というやり取りしたときに、もらった人が支払う税金です。

贈与税には「相続税」の補佐的な役目があります。

たとえば、親が亡くなって遺産を相続すると、受け取った人は相続税を支払うことになりますよね。

ここでもし、相続税しかなければ「生きているうちにタダであげれば税金はかからないよね?」といった抜け穴ができてしまいます。

そこで、その抜け穴をふさぐために贈与税が生まれました。

「贈与」というと、親族間での取引が対象になると思われるかもしれませんが、他人同士でも贈与税は発生します

 

贈与税の金額はいくら?

贈与税には「年間110万円の基礎控除」があり、受け取った金額が110万円までなら贈与税はかかりません

これを踏まえて、贈与税がどのくらいになるか計算してみましょう。

  1. 基礎控除110万円を差し引く
  2. 差し引き後の課税価格×税率を計算
  3. 控除額を差し引く

 

【一般贈与財産用】

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

【例:3,000万円を贈与した場合】

3,110万円-110万円(1.基礎控除)=2,890万円
2,890万円×50%(2.税率)=1,445万円
1,445万円-250万円(3.控除額)=1,195万円

支払う贈与税は1,195万円になります。

 

【特例贈与財産用】

直系尊属の祖父母・父母から20歳以上の子や孫へ贈与した場合は、特例贈与財産用の税率が使用できます。

ただし、義父母からの贈与は対象外です。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1000万円以下 30% 90万円
1500万円以下 40% 190万円
3000万円以下 45% 265万円
4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円

【例:3,000万円を贈与した場合】

3,000万円-110万円(1.基礎控除)=2,890万円
2,890万円×45%(2.税率)=1,300万円
1,300万円-265万円(3.控除額)=1,035万円

支払う贈与税は1,035万円になります。

同じ金額の贈与でも、親子間であれば優遇されているんですね。

 

【関連記事】
不動産は生前贈与がお得?相続との違いは?わかりやすく解説します!

 

不動産の譲渡で贈与税がかかる3つのケース


不動産を人に譲ったとき、贈与税がかかるのは以下のケースです。

  • タダで譲る
  • 名義変更をする
  • 著しく低い価格で売却する

タダであげると贈与税がかかるのはイメージしやすいと思いますが、名義変更もタダであげるのと同じことなので、受け取った人に贈与税が発生します。

他人を巻き込む可能性があるのは、著しく低い価格で不動産を売却した場合。こちらについては詳しく説明します。

 

「みなし贈与」に注意!

先ほどお伝えしたように、贈与税は年間110万円以下であれば非課税です。

すると、今度は「100万円で売れば贈与税はかからないよね?」という抜け穴ができてしまいますよね。

そこで、その抜け穴を防ぐために相続税法第七条で、以下のように定められています。

著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、当該財産の譲渡があった時において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があった時における当該財産の時価との差額に相当する金額を、当該財産を譲渡した者から贈与によって取得したものとみなす

(相続税法第七条)

どういう内容かというと

相場より安すぎる価格で売ったら贈与とみなします!そして、相場と売却価格の差額に贈与税を課税します!

ということです。

たとえば、時価1,000万円の不動産を100万円で売却した場合、相場との差額は900万円ありますよね。

この900万円に贈与税がかかるということです。

特に、親しい人への売却は「安くしてあげたい」という好意が金額に反映されやすいため「みなし贈与」になってしまう可能性があります。

これを税務署に指摘されると、不動産鑑定をして裁判所に書類提出をする・・・など面倒なことになります。

 

贈与税をかけずに不動産を譲渡する方法


不動産を譲っても贈与税がかからないのは、以下の場合です。

  • 共有名義にして持分割合を変更する
  • 適正価格で売却する
  • 借金を返済するために譲渡する

 

共有名義にして持分割合を変更する

持分割合とは、不動産を共有名義にしたときの権利の割合のことで、その割合は現金換算することができます。

そこで、以下の方法で贈与をします。

  1. まず、親子の共有名義にする
  2. 親子の持分割合を毎年変更していく

贈与税は年間110万円までは非課税なので、子どもの持分割合を毎年110万円の範囲で増やしていきます

例:時価1,000万円の不動産を親から子どもに譲る

【1年目】

  • 親 10分の9(900万円)
  • 子 10分の1(100万円)

【2年目】

  • 親 10分の8(800万円)
  • 子 10分の2(200万円)

↓・・・毎年割合を変更

【9年目】

  • 親 10分の1(100万円)
  • 子 10分の9(900万円)

このようにして少しずつ持分割合を変更することで、1,000万円の不動産を贈与税をかけることなく子どもに譲ることができます。

ただし、持分割合を変更するには毎年手続きをする必要があります。

 

嵯峨根
契約書に「今後10年間に渡り毎年1/10ずつ持分割合を変更する」といった文言をいれてしまうと、税務署に「定期贈与」とみなされ、全額分の贈与税がかかる可能性があります。持分変更をするときは必ず専門家に相談をして、リスクについても理解した上でおこなってください!

 

【関連記事】
【共有名義の不動産】トラブルなく売却するための「4つの方法」と6つの注意点

 

適正価格で売却する

税務署は、登記簿のデータを把握しています。

とくに親族間の不動産売買には目を光らせていて、売買価格が適正かどうかを厳しくチェックしています。

確実にみなし贈与と判断されるのは、時価の5割以下で売却した場合です。

親族間の不動産取引は、仲介手数料を節約するために不動産会社を挟まないことがよくあります。

しかし、宅建業者が仲介することで「プロによる適正な取引である」と判断され、税務署のチェックが入りにくくなるというメリットがあります。

 

【関連記事】
私の土地っていくらで売れるの?売却査定で簡単に相場を調べる

 

借金を返済するために譲渡する

もし、あなたの家族が借金返済で苦しんでいたら何とかして助けてあげたいですよね。

でも資産を譲るとかえって贈与税がかかるし・・・と躊躇してしまうのではないでしょうか?

実は、みなし贈与についての相続税法第七条には続きがあります。

但し、当該財産の譲渡が、その譲渡を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その者の扶養義務者から当該債務の弁済に充てるためになされたものであるときは、その贈与又は遺贈に因り取得したものとみなされた金額のうち、その債務を弁済することが困難である部分の金額については、この限りでない。

(相続税法第七条)

つまり

不動産を受け取る人に財産がなく、借金を返済するために譲渡するのであれば贈与税はかからないということです。

税金のことを心配して迷われているのであれば、安心して大丈夫です。

すぐに不動産会社や専門家に相談し、解決していくことをおすすめします。

 

まとめ

いかがでしたか?

不動産を譲渡すると、相手に高額な贈与税がかかることがあります。

贈与税がかかるケースは次の3つです。

  • 無償で譲る
  • 名義変更をする
  • 著しく低い金額で売却する

贈与税がかからないケースは次の3つです。

  • 共有名義にして持分割合を変更する
  • 適正価格で売却する
  • 借金を返済するために譲渡する

親族間であっても、税務署に「みなし贈与」と判断されると高額な贈与税が発生しますので、不動産会社とよく相談して適正価格での売却をおすすめします。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!

 

【関連記事】

あなたの家は高く売れる!【不動産売却は準備とスピードが命】

【空き家所有者のための基礎知識】罰金もありえる特定空き家とは?

不動産一括査定サイトを比較!あなたの不動産にぴったりのサイトとは?

家を売る手数料はどのくらい?不動産売却にかかる諸費用【まとめ】

\ SNSでシェアしよう! /

おうちの悩み.comの注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

おうちの悩み.comの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:宅地建物取引士

初めての不動産購入や売却はわからないことだらけだと思います。
宅建士の立場から、不動産に関する正しい知識と情報をお伝えします!

こちらの記事も一緒に読まれています

  • 神奈川で不動産売却するなら知っておきたい不動産会社ランキング

  • 宅建士が教える不動産売買契約書7つの注意点!重要事項説明書はここをチェック!

  • 【不動産売却のトラブル事例7つ】解決策や困ったときの相談先

  • 不動産の個人売買ってどうなの?直接取引する方法とそのリスクについて

  • 静岡で不動産売却するなら知っておきたい不動産会社ランキング

  • 兵庫で不動産売却するなら知っておきたい不動産会社ランキング