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【相続不動産の売却にかかる4つの税金】控除や特例で賢く節税!

不動産を相続すると、さまざまな税金がかかりますよね!
税金が高くなるのが心配で、なかなか売却に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか?

  • 相続した不動産にはどんな税金がかかるの?
  • 節税方法はある?
  • 高額な税金を支払うのは大変…

相続した不動産は、いずれ売るつもりなら早めに売却しないと損をしてしまうかもしれません。
相続不動産を売却したときは、減税になる特例があります。
しかし、その特例には期限があり、売却するのが遅くなると期限切れで節税ができなくなってしまいます。
そこでこの記事では、相続した不動産を売却するときにかかる税金、節税方法ついてお伝えします。
記事を読んで、相続した不動産を安心して売却していただければと思います!

相続不動産にかかる4つの税金


相続した不動産を売却すると4つの税金がかかります。

  1. 登録免許税
  2. 相続税
  3. 印紙税
  4. 譲渡所得税

それぞれ詳しく説明します。 

1.相続登記をするときに登録免許税がかかる

相続した不動産を、あなたの名義に変更をすることを「相続登記」と呼びます。
相続登記をするときは録免許税がかかります。
登録免許税は以下の計算式で求めます。

固定資産税評価額×0.4%


【例】
固定資産税評価額1,000万円の場合
1,000万円×0.4%=4万円
登録免許税は4万円になりますので、4万円分の収入印紙を購入し、登録免許税を納税します。
また、相続登記を司法書士に依頼するときは、司法書士報酬が5万円前後かかります。
固定資産税評価額は、自治体から送られてくる固定資産税の課税明細書の「合計課税標準額」欄で確認できます。
納税通知書の様式は自治体によって異なるため、評価額が分からない方は市役所に問い合わせてください。
【関連記事】
所有権移転登記に必要な費用と自分で手続きをして節約する方法

2.相続をしたら10ヵ月以内に相続税を支払う

相続税は、不動産を相続したときにかかる税金で、相続後10ヵ月以内に納税しなければなりません。
高額になるケースも多いため、いくらになるか把握しておいてください。
不動産の相続税は、次の3ステップで計算します。
【ステップ1】不動産評価額を求める
【ステップ2】各種控除を差し引く
【ステップ3】相続税率から計算する
それぞれ詳しく説明します。

【ステップ1】不動産評価額を求める

まずは、相続した不動産にどのくらいの価値があるのか求めます。
1つの不動産には、以下の4つの価格があります。

  1. 公示価格
  2. 相続税評価額
  3. 固定資産税評価額
  4. 実勢価格

相続税は、上記のうちの相続税評価額、固定資産税評価額をもとに計算します。


土地相続税評価額
建物固定資産税評価額

土地と建物で計算方法が異なるためそれぞれ分けて計算し、合計額が相続税を決めるための不動産評価額になります。

土地の相続税評価額の求め方

土地の相続税評価額は、路線価方式という方法で求めます。
路線価とは、国が全国の道路に定めている「1㎡あたりの価格」のこと。
その道路に面している土地の価値を
【路線価×土地面積】
で計算します。
【例】

※路線価図の単位:千円

・路線価:60,000円の道路
・土地A:150㎡の敷地
60,000×150=9,000,000円
土地Aの相続税評価額は900万円になります。
あなたが所有している土地の最寄りの路線価は、こちらの【国税庁 路線価図】該当地域を選択すると確認できます。

建物の固定資産税評価額の求め方

建物の固定資産税評価額は、市町村から送られてくる固定資産税の納税通知書に記載があります。
課税明細書の「家屋課税標準額」欄が建物分の評価額になります。
固定資産税の通知書が見当たらない場合は、不動産を管轄している市役所に問い合わせてください。
【関連記事】
私の土地っていくらで売れるの?売却査定で簡単に相場を調べる

【ステップ2】各種控除を差し引く

ステップ1で不動産評価額を求めたら、そこから控除額を差し引きます。
相続税には、基礎控除と配偶者控除の2つあります。


基礎控除(一律で適用)
3000万円+(600万円×相続人の数)
配偶者控除(配偶者限定で適用)
1億6000万円と法定相続分相当額のどちらか多い方の金額
◆基礎控除と配偶者控除は併用できます

※配偶者は戸籍上の夫婦のこと。内縁関係は対象外となります。
基礎控除によって0円になれば、相続税の支払いも申請も一切必要ありません。
基礎控除で0円にならず、配偶者控除も適用させるのであれば申請が必要です。

【ステップ3】相続税率から計算する

ステップ2で基礎控除と配偶者控除をし、それでもなおプラスになったときは相続税が発生します。
税率は以下のとおりです。

【相続税率の早見表】

区分 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

【関連記事】
相続税の基本ルールを覚えて正しい申告を!申告漏れには重いペナルティが・・・

3.売買契約をするときは印紙税がかかる

不動産売却をするときは、売買契約書にも印紙税がかかります。

売却価格 印紙税
100万~500万 1,000円
500万~1,000万 5,000円
1,000万~5,000万 1万円
5000万~1億 3万円

※令和2年4月1日~令和4年3月31日までの適用金額
売却価格に応じた収入印紙を売買契約書に貼って、印紙税を納めます。
【関連記事】
不動産の売買契約書に貼る「印紙税」を非課税にする裏ワザ

4.売却益が出れば譲渡所得税を支払う

不動産を売って、売却益が出たときは譲渡所得税がかかります。
譲渡所得税の計算方法は以下のようになります。

①利益がいくらか求める

まず、売却によってどのくらいの売却益が出たかを計算します。

譲渡所得の計算式

売却価格-(取得費+譲渡費用)


売却価格から、その不動産の購入価格、購入時にかかった経費、売却時にかかった経費などをすべて差し引きます。
この計算で、譲渡所得がプラスになったときは譲渡所得税が課税されます。
不動産の取得額が分からない場合は【売却価格×5%】を取得費とします。
【関連記事】
【不動産売却】取得費の計算方法と「取得費になるもの」一覧
【不動産売却】譲渡所得の計算方法を一番わかりやすく解説!2

②税率を確認する

譲渡所得がプラスになった場合、以下の表で税率を確認します。
譲渡所得税率
上記のように、不動産を所有していた期間が5年以下か5年を超えるかによって、譲渡所得税率が異なります。
相続した不動産の場合、取得時期は被相続人から引き継がれます。

【例】
30年前に親が購入した不動産を、2年前に相続し、今年売却した場合

あなたが相続によって不動産を所有したのは2年前です。
しかし、親が購入したのは30年前なのでその取得日を引き継ぎ、長期譲渡所得の20%を適用します。

売却代金で相続税を支払うなら10ヵ月以内に売却!


相続税の納税は、被相続人が亡くなってから10ヵ月以内に納めなければなりません。
そのため、売却代金で相続税を支払うつもりであれば、相続してから10ヵ月以内には売却を完了させる必要があります。

【相続不動産を売却する流れ】

  1. 遺産分割協議
  2. 相続登記(名義変更)
  3. 不動産会社選び
  4. 不動産売却
  5. 相続税の支払い(相続日から10ヵ月以内)
  6. 譲渡所得税の支払い

不動産の相続には、遺産分割協議等を含めておよそ1ヵ月かかります。
さらに、不動産売却自体に3~6ヵ月ほどかかるため、相続したと同時に売却に向けて動き出さないと納税期限に間に合わない可能性があります。
もし、相続税の納付期限を過ぎても売却できなければ、自己資金で相続税を支払わなければならなくなるため注意が必要です!

節税対策になる3つの特例


相続した不動産を売却すると、さまざまな税金がかかって支払いが大変になりますよね。
そこで、確定申告で使える3つの特例をお伝えします。

  • 取得費加算の特例
  • マイホームの3000万円特別控除
  • 空き家の3000万円特別控除

それぞれ詳しく説明します。

取得費加算の特例

所得費加算の特例とは、譲渡所得の計算をするときに、相続税の一部を取得費に含めることができる特例です。
取得費=経費扱いですので、経費が多ければ多いいほど譲渡所得は安くなり、その分支払う税金も安くなります

取得費に加算できる金額の計算方法

取得費に加算する相続税の金額は、以下の計算式で求めます。


相続税の納税額×不動産の相続税評価額÷全ての課税対象額】

相続税の納税額=相続によって支払った相続税の金額
不動産の相続税評価額=相続時の不動産評価額
全ての課税対象額=相続で受け取った現金や不動産などの資産総額

【例】

  • 相続税 1,220万円
  • 不動産評価額 6,000万円
  • 資産総額 1億円

これを、取得費加算の計算式
相続税の納税額×不動産の相続税評価額÷全ての課税対象額】に当てはめると・・・
1,220万円×6,000万円÷1億円=732万円
取得費に加算できるのは732万円になります。


この例の場合、譲渡所得額はそのまま732万円減ることになりますよね。
仮に、譲渡所得税を20%(所有期間5年超)とすると・・・
732万円×20%=約146万円
約146万円の節税になります。

特例の適用条件は?

取得費加算の特例には、以下の要件があります。

  • 相続によって取得した不動産であること
  • 相続税が課税されていること
  • 相続人が相続開始(亡くなったことを知った日の翌日)から、相続税の申告期限の翌日以降、3年以内に売却すること

3つめがちょっと分かりにくいので、説明します。
まず、相続税の申告期限とは「相続をしてから10ヵ月」以内です。
その翌日から、さらに3年以内に売却ということは・・・
相続をしてから3年10ヵ月以内に売却すれば特例を受けられるということです。
そもそもこの特例は、短期間のうちに相続税と所得税2つの税金が課せられる人への配慮です。
そのため、3年10ヵ月を過ぎても売却しなければ「短期間で二重の課税」とはいえず、税金の控除も受けられなくなってしまうということですね。
【関連記事】
相続した土地の売却で使える「取得費加算の特例」計算方法は?

マイホームの3,000万円特別控除

同居していた親が亡くなってその家を相続し、売却する場合は、「マイホームの3,000万円特別控除の特例」が使えます。
主な適用条件は以下のとおりです。

  • 自分自身の居住用としても使用していたこと
  • 居住しなくなってから3年以内に売却すること
  • 買主が親族などの特別な関係ではないこと

3,000万円特別控除の特例を受けると、譲渡所得の計算式からさらに3,000万円を差し引くことができます。
つまり、譲渡所得が3,000万円以下であれば税金は0になります。

空き家の3,000万円特別控除

別居していた親族が亡くなり、空き家として相続し、売却する場合、「空き家の3,000万円特別控除の特例」が使えます。
マイホームの3,000万円控除と同じように、譲渡所得から3,000万円を差し引くことができます。
主な適用要件には、以下のものがあります。

  • 被相続人が1人で居住していたこと
  • 相続してから3年以内に売却すること
  • 買主は親族など特別な関係ではないこと
  • 昭和56年5月31日以前に建築された建物(マンション不可)であること
  • 耐震リフォームまたは解体をしていること
  • 平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売却すること

空き家の3,000万円特別控除は、倒壊する恐れのある旧耐震基準の建物のみ適用されます。
そのため、マンションには適用できず、売却する際も耐震リフォームや解体などが条件になっています。
また、取得費加算の特例との併用は不可なので、どちらを適用するとお得なのかを考えて利用してください。

まとめ

いかがでしたか?
相続した不動産を売却すると4つの税金がかかります。

  • 登録免許税
  • 相続税
  • 印紙税
  • 譲渡所得税

相続税と譲渡所得税は特に高額になるので、特例などを上手く利用して節税してください。

  • 取得費加算の特例
  • マイホームの3,000万円特別控除
  • 空き家の3,000万円特別控除

特例を適用するためには確定申告が必要なので、翌年の確定申告は忘れずに行ってください
納税で困らないようにするためには、

  • 売却代金で相続税を支払うなら10ヵ月以内に売却
  • 3,000万円特別控除を適用するなら3年以内に売却

このような期限もふまえて、なるべく早く売却することをおすすめします。
相続不動産を売却するときは、顧問税理士と連携している税金関係にも強い不動産会社に依頼するのがおすすめです。
不動産会社を選ぶなら、無料の不動産一括査定サイトが便利です。
複数の不動産会社から一度に査定が受けられ、不動産会社の比較やあなたの家の相場が分かります。
あなたが損をしたりするデメリットはないので、こちらの記事を参考に是非チェックしてみてください!
あなたの家は高く売れる!【不動産売却は準備とスピードが命】
この記事があなたのお役に立てれば幸いです!
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ライター紹介 ライター一覧

嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:宅地建物取引士

初めての不動産購入や売却はわからないことだらけだと思います。
宅建士の立場から、不動産に関する正しい知識と情報をお伝えします!

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