【フラット35】金利の推移と今後の変動予想!最新金利の調べ方も
現在住宅ローンは全国で5000種類以上あります。
金利が安くて審査が厳しいものや、金利は高いけど審査が緩いもの、短期間で金利が変動するものや、長期間金利が変わらないものなど、その種類は実に様々です。
その中で、長期間金利が変わらない住宅ローンの代表として、フラット35があります。
フラット35について、あまりよく知らない方はまずはこちらをお読みください。
フラット35とは?メリットとデメリットを解説【賢い住宅ローン】
フラット35を借りるうえで絶対に気にしなければいけないのが金利です。
35年間金利が変わらないということは、金利がどれだけ上昇しても住宅ローンの支払いが苦しくなることが無い反面、借りたときより金利が安くなると損をしてしまいます。
賢くフラット35を借りるためには、これまでの金利の推移を知り、ある程度これからの金利を予測することが大切です。
この記事では、賢くフラット35を借りるために、最新の金利・金利の推移・金利の予想をまとめました。
フラット35の最新の金利
フラット35の最新金利はコチラから知ることができます。
フラット35の金利は、融資率が9割以上か9割以下かで変わります。
融資率というのは、諸経費を除く住宅購入に必要な費用(土地代、建物本体代及び付帯工事費)に対し、融資を受ける金額の割合のことです。
例えば諸経費を除いて3000万円の費用が必要な場合、融資率は以下のようになります。
3000万円融資・・・融資率10割
自己資金300万円 + 2700万円融資・・・融資率9割
この記事を執筆当時(2017年3月)の金利表は次のようになっています。
(出典:フラット35 最新の金利情報)
融資率9割以下であれば、年利1.120%~1.670%です。
フラット35は住宅金融支援機構が提供している住宅ローンですが、直接住宅金融支援機構と契約をするのではなく、金融機関を仲介して融資を受けることになります。
そのため、一口にフラット35と言っても、入口の金融機関によって条件や金利が異なります。
各金融機関の金利情報は、先にも紹介したフラット35のサイト内から検索することができます。
(出典:フラット35 最新の金利情報)
金利表から下へ進んでいくと上のような検索欄があるので、都道府県単位で検索する場合は「各金融機関の金利情報を検索」から、4項目を選択して検索。
金融機関の名前で検索する場合は、「金融機関名で検索」から金融機関名を入力して検索。
この検索欄があることはあまり知られていませんが、それぞれの金融機関の金利情報をとても簡単に検索することができますので、是非活用してください。
ちなみにフラット35の金利は、毎月第一営業日の正午頃に更新されます。
フラット35の金利の推移
フラット35は、2003年10月に「証券化支援による新型住宅ローン」という名前でスタートしました。
その後、2004年12月に現在の「フラット35」と名前を変え、現在まで運用されています。
2003年10月から現在までの、長期借入(21年~35年)の金利の推移をグラフにしてみます。
フラット35がスタートしてから現在までで、上記のグラフのような金利の動きをしています。
- 月の最高金利の最大値は4.5%、最小値は1.57%。
- 月の最低金利の最大値は3.17%、最小値は0.9%。
このグラフから、2003年10月からしばらく高水準だった金利が、2009年7月から2016年8月をピークに右肩下がりに進み、2016年8月から現在にかけて少し上昇していることがわかります。
金利の変動について、細かい数値が知りたい方はこちらのサイトで確認することができます。
これからどうなる?フラット35の金利予想
先ほどの金利の動きを参考に、これから金利がどうなっていくかを予想します。
あくまでこれまでのデータからの予想であって、これからの日本や世界の動き次第では、まったく予想しなかった結果になる可能性もあるということはご理解ください。
この記事をもとに、最終的にはあなた自身が予測し、フラット35を利用するべきかどうかを判断するための材料として頂ければと思います。
金利が変動する6つの要因
まずは、これからの金利を予測するためには絶対に知っておかなければいけない、金利が変動する要因について説明します。
金利が変動する要因は6つあります。
- 景気
- 物価
- 株価
- 為替
- 国外の金利
- 金融政策
これら6つの要因が金利に影響を与えます。
それぞれについて説明します。
景気
景気が良くなると、一般に購買意欲が高まると言われています。
余裕ができたタイミングで人が考えることは、“未来への投資”です。
将来を考え、家や車などの大きな買い物をしたいと思う人が増えるので、ローンの需要が高まります。
需要が高まると少々金利が高くても借りられるので、金利は高まる傾向にあります。
逆に景気が悪いときは、目の前のことで精一杯になる人が増えるため、未来に目を向け、ローンを組んで高額なものを買いにくくなるため、金利を下げて借り手を獲得しようという動きを見せます。
物価
景気と関連しますが、一般的に景気が良くなると購買活動が盛んになるため、モノが売れやすくなりモノの需要が高くなります。
需要が高いときは少し高くても一定の顧客を見込めるため、モノの値段が上昇します。
モノの値段が上がると、家を建てるために必要な材料の値段も上がりますので、当然家も高くなります。
そのため、物価が上昇しそうな雰囲気を感じると、高くなる前に買いたい、駆け込みの住宅購入者が増えるので、住宅ローンの需要も増えます。
逆に物価が下がる流れを感じると、「もう少し待てば安く買える」と考える人が増えるため、住宅は売れにくくなり、住宅ローンの需要も減ります。
先ほども説明したように、需要が増えると金利が高くても借りる人がいるので、物価があがると金利はあがり、物価が下がると金利も下がります。
株価
株価は大きく分けて5つの要因で動きますが、その要因の中に社会情勢と国内外の経済があります。
経済や社会情勢が良くなる見通しがあれば株価が上がり、逆なら下がります。
株価が上がっているときには、国内が安定した良い状態であることが多いため、株価が上がると金利も上がる傾向にあります。
為替
円安になると輸入品の値段が上がり、物価が上昇します。
逆に円高になると、物価が下がります。
特に住宅は海外から仕入れた木材を使用することも多いので、為替の影響を強く受けます。
そのため、円安になると家の値段が上がる前に購入したい駆け込み需要が増えるため、住宅ローンの金利は上昇します。
逆に円高になると、家の値段が下がるのを待つ人が増えるので、住宅ローンの金利は下がります。
国外の金利
日本は国債を発行して財源を確保していますが、国外の金利が上がると、日本の国債を売って金利の高い国の国債を買おうとする投資家が増えます。
国債が売りの流れになると、国債の価格が下がり、下がった分を補てんするために金利が上昇します。
逆に国外の金利が下がると、利回りの良い日本の国債の需要が高まるので国債の価格が上がり、金利は下がります。
金融政策
金融政策は大きくわけて金融緩和と金融引締めの2種類があります。
金融緩和はその名の通り、お金を借りやすくするための施策で、具体的な方法としては、お金をたくさん発行して国内のお金の総量を増やす方法と、金利を下げる方法があります。
近年で言えば、アベノミクスの3大政策のうちの一つとして、大規模な金融緩和が施行され、金利が大きく下がりました。
金融引締めは、金融緩和とは逆に、インフレを抑制するため、国内のお金の周りを悪くします。
銀行からの貸付も少なくするため、金利も上昇します。
これからのフラット35の金利
ここまで説明した6つの要因をもとに、これからの金利を予想し、上がるなら長期固定金利で、下がるなら短期の変動金利でローンを組むのが最適です。
しかし、残念ながらこれからの金利を予想することは不可能です。
恐らくどんな本やサイトを見ても、名言してあるものは無いと思います。
金利は本当に繊細なもので、社会情勢や経済情勢の影響を色濃く受けるので、金利を予想することは、これからの日本の、世界の情勢を予想するのと同じことなのです。
一つのイレギュラーが起こると、情勢は大きく変わります。
例えば最近の出来事で言えば、イギリスのEU離脱やトランプ大統領の就任など、誰も予想しなかったことが起こりました。
こういった予測不能なできごとの一つ一つが金利に影響を及ぼしているので、これから先の金利は誰にも予想できません。
予想できないで終わってしまっては、ここまで読んで頂いた方に申し訳ないので、参考までに今私が一番有力だと思っている説をお伝えしておきますね。
マイナス金利の施行で一時0.9%まで落ちた金利を下限とし、それ以下になる可能性はかなり低いと思います。
2017年3月の最低金利は1.12%で、恐らくこの辺りの金利がしばらく続くのではないかと考えられています。
しばらくと言っても、半年程度ですが・・・
【2018年10月追記】
この記事を書いた2017年3月時点から半年は1.12%ぐらいの金利が続き、それからじわじわと金利は上昇を続け、2018年10月現在の最低金利は1.41%となっています。
もう少しこのあたりの水準が続きそうですが、アメリカでは金利が上昇しているなど、今後日本でも金利が上昇する懸念はあります。
フラット35を検討しているなら、上がる前の今が借りどきかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
フラット35の最新金利の調べ方や、金利の推移、金利が変動する要因とこれからの予想についてお伝えしました。
最終的に予想はできないという結論での締めくくりとなってしまい、大変歯切れが悪いのですが、35年間の間には、予測不能なことがたくさん起こります。
無理に予想するのではなく、今の金利を安いと捉えるか、高いと捉えるかが大切です。
安いととらえるのであれば固定金利を、高いと捉えるのであれば変動金利を選んで頂ければと思います。
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